バレーボールVリーグ1部男子ファイナルステージの決勝が31日、有明コロシアムで行われる。レギュラーラウンド(RR)1位のパナソニックと同2位のサントリーが王座を争う。30日、両チームの監督と主将が同会場で会見。RRでは2勝2敗のタイだった宿敵との対戦へ意気込んだ。

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パナソニック 慢心はない。山内主将は、RR32勝4敗の1位通過に甘んじることなく「チャレンジャーとして向かっていく」と宣言。「受け身にならずに立ち向かえたらいい戦いができる」と5季ぶりの優勝だけを見据えた。

21年東京五輪でフランス代表を初の金メダルに導いたティリ監督の下、エース西田らリーグ最多7人の日本代表メンバーをそろえる。圧倒的な力で1月下旬にFS進出を決め、今月10日には2戦を残して首位通過を確定させた。その中でサントリーとは2勝2敗の五分。山内は「世界クラブ選手権3位をとってるし、リーグでも何回も優勝している」と警戒した上で「ここまで来たからには、勝ちたい」と言いきった。決勝は、宿敵と雌雄を決する舞台でもある。挑戦者の心意気を保ち、最後は笑って締めくくる。

サントリー 2季ぶりの王座奪還を目指す山村監督は、武者震いしていた。「監督しては失格かもしれないが…」。どんな試合展開になるかとの問いかけに「想像すらつかない。ワクワクでしかない」と、決戦を心待ちにした。昨年の世界クラブ選手権では日本史上初の銅メダルを獲得。一方、パナソニックはRRを32勝4敗の圧倒的な成績で駆け抜けた。相手にとって不足なし。1人の排球人として、胸を高鳴らせた。

勝利へのカギは「プレーハード」と説いた。今月2日の同カードは、セットカウント0-2と追い込まれてからの3セット連取で勝利した。翌3日も0-1から逆転で取った。その試合のように泥くさく、チャレジャー精神で-。指揮官は「どんな展開であろうと常に上を向いて戦う」と力を込めた。アタック決定率57・7%でスパイク賞を受賞した日本代表の小野寺や司令塔の大宅ら百戦錬磨の精鋭がそろう。一丸で、10度目の栄冠をつかみ取る。