Aグループ1位のデンソーエアリービーズが、3年ぶりの開催となったVカップの頂点に立った。

決勝で同グループ2位の日立Astemoリヴァーレを3-2(25-20、22-25、25-20、23-25、15-12)のフルセットで撃破。予選ラウンドを含めた7戦全てで勝利を収め、Vリーグ最後となるタイトルを奪取した。

3月30日の予選ラウンドでもフルセットにもつれ込んでいた難敵を相手に、この日も苦しめられた。第1セット(S)序盤からいきなり5点のビハインドを背負う展開。それでも、中盤にミドルブロッカー麻野七奈未(21)のブロックで追いつくと、その麻野が今度は鋭いサーブで3連続ブレークに成功。終盤は野田祐希(19)がアタックをまとめ、逆転でセットカウントを先取した。第2Sは22-20から5連続失点で失ったものの、悪い流れを引きずらず。第3Sは、麻野が速攻やブロックなどを要所で決めてセットを奪取した。第4Sは競り負けたものの、終盤まで一進一退の攻防となった最終第5Sも集中力を切らさず。キャプテン中元南(26)がブロックを決めてマッチポイントを握ると、最後は相手のミスを誘い、優勝を決めた。

世界ランキング3位のブラジル代表ロザマリア・モンチベレルがアタック決定率27%にとどまる中、麻野がサーブやブロックで活躍。「1人1人が役割を果たして勝利をつかめたことがよかった」と声を弾ませた。

早大2年で男子日本代表に2年連続で選出された堅斗を弟に持つ麻野は、183センチの長身を生かしたパワフルなプレーが持ち味。ケガなどもありリーグ戦は73セットの出場にとどまったが、代表や多くの海外勢が抜けたVカップで存在感を発揮した。「ミスもあったけど、たくさんの支えがあって自分の活躍がある。成長できた」と笑顔で振り返った。

来季からSVリーグとしてリーグが生まれ変わるため、Vリーグとしては最後となるタイトルを奪取。麻野は「新体制になってもやることは変わらない。カバーし合えればいい結果が出せる」と、来季以降の活躍を誓った。