レスリングのアジア選手権を戦い終えたパリ五輪女子代表4選手が16日、開催地のキルギスから成田空港へ帰国した。

50キロ級で東京五輪金メダルの須崎優衣(キッツ)は3試合を勝ち抜いて優勝し、14年の国際大会デビューから対外国人選手に負けなしの94連勝に。1回戦から接戦となり、決勝でも4失点があり、「経験を絶対に生かして、3カ月後、笑顔で入れるかは自分次第だと思う。しっかり自分と向き合って、必ずパリでは最高の金メダルを取れるように、より一層頑張っていきたい」と固く誓った。

68キロ級の尾崎野乃香(慶大)は、同階級初の国際大会で3試合を全てテクニカルスペリオリティー(前テクニカルフォール)勝ち。主戦だった62kg級から増量してつかんだパリ切符で、今大会が試金石となった。「試合出る前は少し不安で、どのぐらいの強さなのかなって未知の世界だったので思ってたんですけど。結果を残せて、触れ合ってみて、力負けすることもなく、日本で積み上げてきた練習の成果を出せた」と手応えを感じさせた。

57キロ級の桜井つぐみ(育英大助手)はシニア後の海外勢初黒星を決勝で喫して準優勝。「対策を感じた。練習をすれば強くなれる。五輪では、自分の弱さをなくして迎えられるようにしたい」、62キロ級の元木咲良(育英大助手)も決勝で敗れて準優勝。昨年の世界選手権に続き、世界女王のアイスルー・ティニベコワ(キルギス)に屈し、「3倍くらい強かった。最初に見た瞬間にやばいとなって、焦りにつながってしまった」と反省。これまでと逆の構えで組んできた女王に戸惑ったという。「自分にとって成長できる機会」と前向きにとらえ、夏の大舞台を目指す。【阿部健吾】