<世界体操>◇9日目◇15日◇東京体育館

 審判がひねりの回数を間違えるほど、内村のスピードが速すぎた。最高G難度の大技、後方抱え込み2回宙返り3回ひねり(リ・ジョンソン)を冒頭に跳んだが、2回ひねりと判断された。最初に示された得点は15・433点。しかし、コーチが抗議し、技術委員長がパソコンの映像で確認。3回ひねりと認定され、得点は15・633点に変更された。最終的に、最初の得点ではメダル圏外だった。しかし、0・2点の上乗せで、一気に金メダルを獲得した。「それだけひねりが速かったということ。逆にうれしい」。内村は、誤審さえ喜んだ。

 内村にとって、世界大会での種目別優勝は初めて。世界選手権の種目別の床運動で、日本男子が優勝したのは74年バルナ大会の笠松茂以来37年ぶりとなった。