<女子バレーボール・プレミアリーグ:パイオニア3-0デンソー>◇22日◇天童市・山形県総合運動公園総合体育館ほか

 背水の陣のパイオニアが今季本拠地最終戦を白星で飾った。負ければレギュラーラウンド1位が消滅する一戦で、2位デンソーにストレート勝ち。勝率を11勝11敗の5割に戻して6位に浮上し、最終ラウンド進出の4強入りに望みをつないだ。レフト栗原恵(24)ハニーフ・タイーバ(29)センター多治見麻子(36)の北京五輪代表組が大活躍。今季最高のチームアタック決定率49・1%をマークして、レギュラーラウンド残り5戦に弾みをつけた。

 前日、NECにストレート負けした悔しさを、ストレート勝ちで晴らした。終盤勝負で敗れた前日とは逆に、各セットとも20点以降に逆転。吉田監督は「昨日とまったく違って、レフトの両エースがしっかりと決めてくれた。今のパイオニアの戦い方ができた」と評価した。

 リードされても並ばれても動じない粘り強さが復活した。圧巻は第3セット。栗原の連続アタックで同点に追い付き、最後は2度ジュースに持ち込まれたが、ハニーフの連続得点で勝負を決めた。今季、ジュースになった12セット中9セットをものにする勝負強さ。栗原は「(前日に)ホームでふがいない試合をしてしまった反省を生かせた」と振り返った。

 チームのアタック決定率も今季最高。多治見とハニーフも今季自己最高のアタック決定率を記録し、地元ファンの声援に応えた。特に多治見は、ミドルブロッカーとしても両軍最多の5ブロックを決め、相手外国人エースを封印。吉田監督は「栗原は今季最高の出来。多治見もいいところでブロックを決めて流れを引き寄せた」と絶賛した。

 レギュラーラウンドは残り5戦で、4強圏内まではまだ3ゲーム差。もはや星勘定はいらない。吉田監督は「1つも負けられない状況は変わらない」と力を込めた。【佐々木雄高】