米国からの逆輸入選手としてレラカムイ北海道に新加入したガード松井啓十郎(23)が8日、江別市内で入団会見した。NBA予備軍がそろうNCAA(全米大学体育協会)1部のコロンビア大に5月末まで在籍し、同大歴代3位の3ポイントシュート173本をマークするなどの実績を持つ。同じポジションで、目標にする日本代表の折茂武彦(39)とのプレーを心待ちにし、新天地での活躍を誓った。

 北海道の一員になった松井が、決意表明した。この日の入団会見で「日本一のシューターになりたい。3ポイントを見せたい」と抱負を語った。具体的な1試合の3ポイントの本数にも触れ「5本を入れることが目標」。期待の大きさを受け止め、シーズンを心待ちにした。

 米国から北海道を選んだのは、あこがれの存在が大きかった。5月にコロンビア大を卒業。北海道を含め、日本リーグ4チームから勧誘された。早くから声をかけてくれていた東野監督の熱意と、最後の決め手は折茂の存在だった。「折茂さんから吸収したい。ミドルレンジでのシュートなどを学びたい」。高校時代、練習生として、当時トヨタ自動車にいた折茂とプレーし、目標にしてきた。

 10歳の時、日本でのイベントで元NBAスーパースターのマイケル・ジョーダン氏と対戦し、アトラクションだったとはいえ5-2で勝った。15歳で渡米して以後は本物の実績を積み上げた。米モントロス・クリチャン高を経て05年秋、コロンビア大に入学。日本人で初めてNCAA1部でプレーし、レギュラーを奪取した。07年度はリーグ1位の3ポイント決定率49%を記録し、在籍4年間の3ポイント数は173本と同大歴代3位の成績を残した。

 東野監督は「チームを飛躍させるためのスターを獲得したと思っている。2人(松井、折茂)のシューターの同時出場も考えることはできる。面白いラインアップができると思う」と期待した。大物ルーキーが、結成3シーズン目で初のプレーオフ進出を狙うチームの力になる。【長島一浩】

 ◆松井啓十郎(まつい・けいじゅうろう)1985年(昭和60)10月16日、東京都生まれ。6歳でバスケットボールを始めた。小学校卒業後、東京都内のインターナショナルスクールから米モントロス・クリチャン高に入学。05年4月に日本人では田臥勇太以来となるU-19の世界選抜に出場し7得点。05年秋にコロンビア大に進学。ポジションはガード。家族は両親と姉2人。188センチ、83キロ。