<競泳:日本選手権>◇第2日◇11日◇東京辰巳国際水泳場◇男子100メートル背泳ぎ

 「6冠」消滅にも、萩野公介(19=東洋大)は淡々としていた。「(入江)陵介さんがすばらしかった。自分が絶好調でも52秒5は出ない」と、完敗を認めた。優勝できなかったことは「悔しい」と言いながらも「明日のレースにはつながったと思う」と、残る3種目に頭を切り替えた。

 200メートル自由形で優勝して代表権を手にすると、20分後の100メートル背泳ぎで2位。立て続けに泳ぎながら両種目とも自己ベストを更新し「去年も経験しているし、世界選手権でもやっているから、気持ちの余裕があった」と胸を張った。ただ、入江に敗れた背泳ぎは課題も噴出。「ターンとスタートがまだまだ。最後の15メートルもだめだった」。それでも前向きなのが、萩野の武器。「課題がなくなったら伸びしろもなくなる。もっと出てきてほしい」と、克服に自信をみせた。

 出場種目を絞れば、さらに好記録を出せる可能性もあるが「目指しているのはロクテやフェルプスのような選手なので」と、あくまでも複数種目出場。「個人メドレーだけでなく、背泳ぎでも世界と戦いたい」。日本最強のマルチスイマーの信条は揺るがない。