<高校ラグビー:大阪桐蔭41-3秋田工>◇準々決勝◇3日◇花園

 大阪桐蔭(大阪第2)は秋田工(秋田)を退け、初のベスト4に進出。明日5日の準決勝はAシード同士の桐蔭学園(神奈川)と対戦する。

 初優勝を狙う大阪桐蔭のエンジンがかかってきた。前半4分にPGで先制を許したが、その後は攻守ともに圧倒。FWが主導権を握りモールトライ4本を含む6トライ。守ってはノートライに抑えた。4トライのNO8吉田は息を切らしながら「今日が一番しんどかった。体を張れた結果だと思う」。綾部監督は「FW勝負と予想していた。よく頑張ってくれた」とねぎらった。

 勝因のFWは、大会に入りより強固さを増していた。前日2日、綾部監督の大体大の同期であり元日本IBMのプロップで元日本代表の文原俊和さん(38)からスクラムの指導を受けた。初戦国学院栃木戦でスクラムの反則が多発し、20-15と苦戦したため予定より早くから同行。相手スクラムに応じたフロントローのバランスなどを指摘され「縦を突く、前に出る意識を持って、FW8人のまとまりを強くしよう」とアドバイスを受けた。ゲーム主将のフッカー赤壁副将は「スクラムからリズムができ、流れに乗れた」という。

 初戦で左膝を痛めて欠場中のSO喜連航主将の存在もチームの発奮材料だ。吉田は「喜連を決勝のグラウンドに立たせるとみんなで約束している。あと2つですよね」。喜連航自身は「自分も(5日の)準決勝出場を目指したい」と出場へ前向きだ。準決勝は桐蔭学園との“桐蔭対決”。過去最高が3回戦の大阪桐蔭が、手負いの主将との約束を守るために全力を尽くす。【鈴木絢子】