世界ランキング2位のアイルランド代表が、厳戒態勢を敷いた。

24日、静岡・磐田市内で同9位の日本戦(28日、静岡・エコパスタジアム)へ向けての練習を開始。白色の幕で練習グラウンドを四方に囲い、急きょ、メディアの待機場所を駐車場に変更するなど、わずかな情報漏えいも警戒した。静岡・浜松市での練習を公開した日本とは対照的に、徹底して情報を管理した。

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日本戦に向けて、わずかなスキも見せなかった。アイルランドと日本のメディアが多く訪れた練習場で、選手らがボールを扱う姿を見ることはできなかった。メディアが案内されたのは、練習場から約200メートルも離れた駐車場の一角。その後、仮設のウエートルームに案内されると、公開時間の15分間はアイルランド代表のウエート練習に充てられた。チーム関係者が残り時間を分刻みで伝えるなど、緊張感が漂っていた。

22日に強豪スコットランドにトライを許さず勝利した鉄壁の守備のように、情報もきっちりと遮断した。大会規定により、練習場には四方を囲う幕が設置されている。関係者によると、幕と幕の間にできた数センチの隙間ですら過敏に反応し、すぐに閉めていたという。また練習場入り口付近にいた日本人警備員にも、練習場を注視しないように指摘。メディアルームも当初は練習場横の建物内に設けられていたが、建物内にはチームルームもあり、会話を聞かれるのを警戒して駐車場に仮設のスペースを設置。いかなる情報も、もれないように徹底した。

18年のワールドラグビーの年間世界最優秀選手に輝いたSOセクストンや、W杯4大会連続出場でフッカーのベストが主将を務めるなど、タレントぞろい。18年のシックスネーションズ(欧州6カ国対抗)では全勝し、W杯開幕時には世界ランキング1位に上りつめるなど、世界での戦い方も熟知している。優勝候補の一角で、スコットランド戦後にシュミット監督は、SH流、SO田村、CTBラファエレの名前を挙げるなど、日本の分析も抜かりはない。プロップのキルコインは「WTB松島はいいフィニッシャー。日本の速いテンポを警戒しないといけない」と話した。初優勝を狙うアイルランドが、本気モードで2勝目を狙う。【佐々木隆史】