ラグビー日本代表は29日、W杯1次リーグ第2戦アイルランド戦(静岡)の歴史的勝利から一夜明け、東京に移動した。

JR東京駅ではファンの花道が自然と作られ、熱気を実感。フランカーのリーチ・マイケル主将(30=東芝)は「ここで勝って、2つ負けたら何も意味がない」と気を引き締めた。30日から都内で調整し、3連勝が懸かるサモア戦(10月5日、愛知・豊田スタジアム)に備える。

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午後3時40分、ひかり468号から降り立った日本代表の姿にJR東京駅が騒然となった。新幹線の改札をくぐると、駅構内に居合わせたファンから「頑張って~!」と歓声が上がった。自然発生した花道。前夜200通の祝福メッセージを受け取ったリーチは「多くの人にインパクトを残せた」と反響を実感した。

花道を通る選手の表情は、前夜と様変わりしていた。過去9戦全敗のアイルランドを倒した笑顔は引き締まったものとなり、藤井雄一郎強化委員長は「選手はロッカールームを出た瞬間、サモア戦へ切り替えていた」と証言。全国の期待を背負うからこそ、リーチは「ここで勝って、2つ負けたら何も意味がない」と言い切った。目標の8強へ、チームに満足感はない。

28日発表の世界ランクは過去最高8位に上昇。同15位のサモアとは15年W杯でも対戦し、26-5で勝利している。だが、トライ数は相手を1本上回る2本と点差以上に苦戦。4年前もフル出場したリーチは「サモアも強い。前回もやって、フィジカルで来る。どれだけディフェンスできるかが大事。(1次リーグ最終戦の)スコットランドはまだ見ていない」。5日後の戦いへ最高の準備を施し、愛知に乗り込む。【松本航】

◆W杯1次リーグ順位決定方法 各組上位2チームが決勝トーナメントに進出する。勝ち=4点、引き分け=2点、負け=0点の勝ち点制で争う。4トライ以上、7点差以内の敗戦には、それぞれボーナスポイント1点が加算される。勝ち点が並んだ場合は(1)直接対決(2)得失点差(3)トライ数差(4)得点数(5)トライ数で決着。ここまで並んだ場合、前回は世界ランキング上位チームが上位だったが、今回は抽選となる。