史上初の3連覇を目指す王国ニュージーランドが、9トライで今大会最多63点を奪いカナダを完封し2連勝を飾った。南アフリカとの初戦から先発を11人変更。司令塔のFBボーデン、ロックのスコット、WTBジョーディーのバレット3兄弟が先発し、3人そろってトライ。W杯で兄弟3人先発は95年大会のブニポラ兄弟(トンガ)に続いて2組目だが、史上初めて3人全員がトライを奪った。

前半8分、初先発のジョーディーがロングキックパスを右隅で抑えてトライ。同36分にはボーデンが続く。後半4分にスコットも2戦連続でトライを決めた。ジョーディーは「(W杯の)特別な舞台で3人一緒にトライできてうれしい」。スコットも「特別な瞬間だった」と喜んだ。8人きょうだいで、酪農家でのびのび育った。スコットは「裏庭でよくラグビーをしていた。いい環境だった」と声を弾ませた。

開始前には恒例の儀式「ハカ」で圧倒。初戦の「カパ・オ・パンゴ」ではなく、よりなじみのある「カ・マテ」だった。1週間前から温泉地の別府市でキャンプを張り、名物の砂風呂を満喫しリフレッシュも図った。第1回大会から続く1次リーグ無敗記録を「30」に伸ばした。【菊川光一】