ラグビージャーナリストの村上晃一氏(54)が南アフリカの警戒選手を「村上‘s ポイント」として5回連載で紹介します。4人目は身長170センチの快足WTBチェスリン・コルビ(25)です。

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「ポケットロケット」の異名通り、コルビの魅力はその爆発的なスピードです。過去のW杯でもシェーン・ウィリアムス、ジェイソン・ロビンソンら小兵のスターWTBが活躍しましたが、コルビはその中でもステップワークに優れた選手です。南アフリカは、先発に2メートル以上が3人もいる大型のチームですから、相手もそれを意識した防御になります。そこで、コルビのチョコチョコとした動きで走られるとリズムが狂い、すごく守りづらいのです。

7人制でも活躍し、16年リオデジャネイロ・オリンピック(五輪)では銅メダル獲得に貢献。体が強く、タックルを受けてもなかなか倒れない。身長は低いですが、落下地点に入るのがうまいのでハイボールも強いのが特徴です。16年の試合後には、グラウンドで彼女にプロポーズし、仲間から祝福されるシーンもありました。

防御能力が高い松島、福岡であっても、コルビにスペースを与え、下がりながらの状態では、それを止めるのは不可能です。ボールを持った時に2、3人が前にいる状態をいかに作れるか。そのためにFW戦で人数を集められないように、立ってタックル、立ってタックルをどれだけ続けられるかが重要になります。