大相撲の賭博問題で、大嶽親方(元関脇貴闘力)が警視庁の事情聴取に対し、野球賭博への関与を認めたことが17日、分かった。同親方は東京都江東区の大嶽部屋で記者会見し「お騒がせして申し訳ありません。相撲協会と警察に委ねているので、自分から何も言えません。言える時期が来たら、必ずお話しします」と謝罪した。

 大嶽親方は17日に発売の週刊新潮で、幕内豊ノ島関とともに野球賭博に関与していたことが元幕内力士の証言とともに報じられた。

 日本相撲協会の八角生活指導部副部長(元横綱北勝海)によると、21日午後1時から緊急理事会を開催することが決まった。理事会終了後に外部役員や生活指導部特別委員会の外部委員だけによる調査チームの第1回会合を行う予定としている。

 調査チームは17日午後、同親方と幕内豊ノ島関を東京・両国国技館に呼んだが、外部有識者委員との調整がつかず、生活指導部の陸奥部長(元大関霧島)ら親方衆による聴取だけに終了。豊ノ島関は無言で引き揚げた。八角副部長は「週刊誌の件で二人別々に話を聞いた。警察の指導により、詳しいことは公表できない」と説明した。

 相撲協会が行った賭博に関する実態調査では、親方を含む29人が野球賭博への関与を申告。既に野球賭博を認めた大関琴光喜関は7月の名古屋場所の出場辞退を決めている。警視庁の捜査関係者らによると、琴光喜関は野球賭博の口止め料として、暴力団関係者に約300万円を脅し取られた上に、1億円を要求されたことを説明したという。

 同庁は野球賭博にかかわったとされる力士らについては、賭博容疑での書類送検などの対応を検討している。