大相撲春場所の第2新弟子検査が12日、東京・両国国技館で行われた。通常の体格基準に満たない入門希望者が対象で8人が受検。167センチ、67キロ以上の体格検査を経て、50メートル走やハンドボール投げなど8種類の体力テストを受けた。95年の阪神・淡路大震災の日に生まれた兵庫・南あわじ市出身の福岡翔輝(15=伊勢ケ浜)ら、8人全員が通過。3月6日の内臓検査の結果を待って14日初日に合格者が発表され、前相撲でデビューする。

 15年前の1月17日の阪神・淡路大震災で、淡路島は最大震度7を記録した。一軒家の福岡家は被害を免れ、家族も無事だった。余震の続く約15時間後の夜、福岡は県立淡路病院でこちらも無事に産声を上げた。

 小4の時、地元の相撲大会で2位になった。三原中では全国大会ベスト16。「高校に行ってタイトルをとっても何も変わらない」と角界入りを決意。道場の先生と親交があった伊勢ケ浜部屋を選んだ。

 復興の島で順調に育ったが、身長だけは伸び悩んだ。ギリギリの167センチで合格。「心配は身長だけで体力は自信あった」。体重89キロも50メートル走で7秒など、身体能力の高さを示した。

 翔輝の名ははばたいて輝けという願いから。しこ名も照強(てるつよし)と決まり、部屋の大関日馬富士が目標。「20歳までに5年で関取」と力強かった。