「大鵬号」が再出発した。東京・港区の日本赤十字社で大鵬号贈呈式が21日、開催された。昨年1月に亡くなった元横綱大鵬の納谷幸喜氏が生前に献血運搬車を寄贈してきた慈善活動を横綱白鵬(28=宮城野)が受け継ぎ、大鵬と白鵬のしこ名が車体に書かれた復活第1号が実現。白鵬や大鵬さんの芳子夫人(66)らが出席し、披露された。

 大鵬さんは09年まで70台を寄贈し、現在の稼働は6台のみ。芳子夫人は「結婚した時から毎年続けてきたこと。久しぶりに復活できて涙が出そう。大鵬親方も天国から走らせてくれありがとう、頼むなと言っていると思う」と感謝。初場所の28度目優勝で大鵬の32度に今年中に並ぶ可能性があることに関し「白鵬さんだから超してもらっていい」と願った。白鵬も「大変光栄です。親方の偉大さ、社会貢献への姿勢を引き継ぎ、今後も世の中に広めたい」と話した。

 また、日本赤十字社では大鵬さんの国民栄誉賞と血液事業への多大な貢献をたたえるため、北海道と関東甲信越ブロック血液センター管内で整備予定の献血運搬車24台に「大鵬国民栄誉賞受賞記念号」のステッカーを貼って運用することも決まった。