全国でも類を見ない、いきなりの“事実上の決勝戦”だ。昨夏王者で大阪大会初の4連覇を目指す大阪桐蔭と、昨年センバツ準優勝で3季ぶりの甲子園出場を狙う履正社が、初戦の2回戦で激突した。全国で唯一、シード制を導入していない大阪ならではの劇的な組み合わせ。大阪桐蔭が、エース田中誠也投手(3年)の1失点完投で、最強ライバルを退けた。

 OBの西武中村剛也内野手(31)、浅村栄斗内野手(24)、森友哉捕手(19)、阪神藤浪晋太郎投手(21)らも駆け付けるなど、1万3000人が超高レベルの初戦を観戦した。

 藤浪、中村、浅村、森がスタンドを避け、球場内で観戦した。ガラスごしに後輩の快勝を見届けたが、森は「お互いに闘志むきだしの、いい試合。必死なのはだれが見ても分かるくらい、伝わってきた」と声をうわずらせた。田中ら今の3年生は、森が3年時の1年生。思い入れを持っていただけに「堂々とプレーをしていて、すごいなと思う。頑張っている姿を見たら自分も頑張らなあかんなと思いました」と成長に目を丸くした。