第98回全国高校野球選手権(8月7日開幕、甲子園)を目指す南・北北海道大会の組み合わせが8日、決まった。南大会(16日開幕、札幌円山)では、駒大苫小牧が16日に札幌日大と対戦する。3年連続甲子園決勝へ進んだ“伝説の夏”から、ちょうど10年。新たな歴史を刻むため、聖地を目指す。

 ヤンキース田中らを擁し、3年連続で夏の甲子園決勝へ進んだ「あの夏」から10年-。駒大苫小牧の若林楽人主将(3年)は「(周囲から)ずっと期待されていると思うので、今夏、恩返ししたい」と9年ぶりの聖地を見据える。札幌市内のホテルで行われた南大会の抽選会では、5年連続出場の札幌日大との対戦が決まり、1回戦屈指の好カードとなった。

 投手ではエース級の左右2枚、攻撃は若林を筆頭に派手さはなくてもパンチ力のある選手がそろう。佐々木孝介監督(29)は「集中力がある。このチームは緊張して体が硬くなるぐらいがちょうどいい」と大舞台での活躍に期待大だ。

 今春の全道大会では、試合当日に主力選手が寝坊して遅刻。ギスギスした雰囲気のまま臨み、終盤に守備が乱れて白樺学園に逆転負けした。大会後、佐々木監督は「粘り強く戦っていくための荒療治」と、あえて大雨の日でも外での練習にこだわった。「練習でうまくいかない時は、決勝再試合を含めて、甲子園の試合のビデオをみんなで見た」と土井凜太郎左翼手(3年)。2006年夏の甲子園決勝、早実(東京)と繰り広げた延長15回引き分け、翌日の再試合…。04年の初優勝から3年連続で聖地を沸かせた偉大な先輩たちの姿を手本に、気持ちを奮い立たせた。

 「接戦を意識して、逆境に打ち勝つための練習をしてきた」と若林。自信を持って、8度目の夏切符を奪いに行く。【中島宙恵】