駒大苫小牧は安田匠吾三塁手(3年)の公式戦初本塁打を口火に、3-1で東海大札幌に逆転勝ちした。

 駒大苫小牧の安田匠が、0-1の5回無死から公式戦1号となる同点ソロを放ち、逆転勝利につなげた。「最初の打席でボールを見過ぎて三振したので、次は初球から狙っていこうと。1点取りたい場面で打てて良かった」。東海大札幌エース高杉勝太郎(3年)の初球、外角ストレートを逆らわずに右に打ち返すと、打球はぐんぐん伸び、右中間最深部に飛び込んだ。

 最速144キロの高杉には4回まで7三振と苦しめられていた。5回の安田匠の1発で動揺を誘うと、6回に高杉の暴投と内野失策から2点を奪い逆転に成功。佐々木孝介監督(30)は口火の一撃を「見事だった。安田の1発が大きかった」とたたえた。

 2年前の主将を務めた兄大将(亜大2年)は、14年センバツに出場。その兄から全道大会抽選の翌25日に「初戦の東海大札幌は強い相手だから泥くさく、熱くやれ」とカツを入れられた。「技術では兄にはかなわないけど、泥くささでは負けない。そういう部分を出して兄を超えたい」。まずは難敵を突破した。この勢いで一気に4年ぶり春王座へ駆け上がり、兄も果たせなかった夏の甲子園へと突き進む。【永野高輔】