今春センバツ(3月22日開幕、甲子園)に出場する一関学院(岩手)が3日、静岡・湖西市で2次キャンプをスタートした。10日までの期間中には、同市内の海岸で砂浜トレを行う予定だ。守備力を評価された希望枠での出場は史上初となる2度目、また校名変更後は甲子園で失策0というチームの伝統を守るため、足腰を鍛えて鉄壁の守備を身につける。

 午後6時すぎ。選手たちの熱気で窓ガラスが白く曇ったバスが、湖西市の宿泊先ホテルに到着した。岩手から約10時間の移動にもかかわらず、ナインは疲れた様子も見せずに、出迎えたホテル関係者に元気よくあいさつした。

 今キャンプは、湖西市営球場でのフリー打撃や紅白戦が主な練習内容となる。ただし静岡県内には広い海岸が数カ所あり、地元の学校のサッカー部などが練習場として使用。湖西市の近くにも舞浜海岸と中田島砂丘がある。サーキットメニューや雪上ランニングで足腰を徹底的に鍛え、再び希望枠での出場を認められた高い守備力を誇る同校だが沼田尚志監督(48)は「雪と砂なら、一緒の効果がありますからね。時間があれば、選手を走らせてみるのもいい」。チームは昨秋公式戦12試合で10失策と不安があるだけに、“特訓”を行う可能性を示唆した。

 02年に現校名になって以降、甲子園には春、夏1回ずつ出場したが、3試合でいずれも無失策。今大会で希望枠は最後となるだけに、砂だらけになってもその名誉を守りたい。伝統の「鉄壁の守備」を貫き、念願のセンバツ勝利をつかむ。【由本裕貴】