“幸運のハッチ”が楽天を強力援護した。0-0の2回裏の開始直前。スズメバチ1匹がグラウンドに襲来。試合が一時止まった。数分後に飛び立って再開されると、この回先頭の鈴木大が中前打。続く岡島が併殺崩れで1死一塁となったが、背番号「8」の辰己涼介外野手が5球目を右翼線にはじき返し、先制適時三塁打を決めた。さらに猛攻は続いて一挙4点を先行した。

チームを勢いづけた「ハチ番」は、7回2死満塁でも四球を選び、8点目をもぎ取った。何かとハチに縁がある辰己は「いや、普段飼ってるケースから出てってもうて…。うちの家で飼ってるんですけど、妻と息子とハッチ(ハチの名前)が見に来てくれてたんで」と真顔で話した。「結構年頃で、最近は結構言うこと聞かんくなってきたんで」と悩み? も打ち明けた。

米国では、ドジャース大谷が出場した4月30日(日本時間5月1日)のダイヤモンドバックス戦でハチが大量発生し、1時間55分遅れで試合が始まる「BEE DELAY(ハチによる遅延)」のハプニングが起きたばかり。この日は小休止を味方につけた。

今季最多得点で快勝し、背番号「98」の今江監督は「初めてですよね。虫1匹でゲームが止まるって。逆に流れを持ってきてくれたのかなと思います」とハチに感謝した。【山田愛斗】