DeNA中畑清監督(61)が23日、家康モードで“敵国”に乗り込んだ。今日24日からの阪神3連戦(甲子園)に向け大阪入り。「大坂夏の陣の気持ちでいきたいね。取り残されないためにも、まず首位をたたかないと」と引き締めた。ちょうど400年前の1615年夏。大坂城で豊臣家との決着をつけた徳川家康に自身とチームを重ねた。

 勝負の1番やりを託すのは井納だ。ここまで15試合に先発し4勝6敗。防御率こそ2・91と安定感をみせるが闘将は納得していない。「試合をつくって安心してほしくない。勝ちにこだわる投球をしてほしい。無駄な1点は絶対やらない気持ちをみたい」と力を込めた。

 2番やりは育成出身の左腕砂田。そして、しんがりのマウンドは山口に任せる。3勝目を挙げた4月25日中日戦以降、勝ち星のない右腕にとっては正念場の一戦。「彼らしい投球が続いてない。今度の登板は(2軍降格がかかる)試金石になるかもしれない。俺はあいつにかけてるんだけどな」と復活を待ち望んだ。

 “家康”らしく、後半戦3連敗と最悪のスタートにも動じていない。「(6月に)12連敗したことを思えば何てことない。ヨーイドンの3連敗で怖いものはない。うちの悪いものを出し尽くした」と、どんな状況でも慌てない、まさに「泰然自若」の姿勢を見せた。

 乱世ならぬ混セを勝ち上がるべく「先発が勝てないとノリが悪い。残り55試合。レッツ、ゴーゴー(55)だよ」と笑い飛ばした。大阪で会心の勝ちどきを上げるつもりだ。【佐竹実】