残り20試合で、3位西武に2ゲーム差に迫った。ロッテがオリックスに逆転勝ちし、連敗を2でストップ。若き主将、鈴木大地内野手(26)が同点の8回2死満塁から走者一掃の右中間三塁打で決めた。約4カ月ぶりの先発登板で、6回1失点と粘った東洋大からの同僚、藤岡貴裕投手(26)の力投に応えた。

 思いが打球に乗った。1-1で迎えた8回2死満塁。外角ストレートをとらえたロッテ鈴木の手応えは完璧だった。「本当に投手が気持ちを込めて投げてくれたんで。何とか点を取ってあげたかった」。右中間へ落ちた打球は、勝ち越しの走者一掃適時打となった。

 プレーボール直後、遊撃定位置の前に見慣れた背中があった。東洋大から同期の背番号「18」。藤岡は、涌井の登板日が日曜の西武戦にずれたことで、今季3度目、5月2日以来132日ぶりの先発マウンドに立っていた。1回2死満塁でオリックス・ブランコを力強いクロスファイアで空振り三振に仕留めるなど、3回まで毎回得点圏に走者を背負いながら、6回を最少失点で抑えた。

 左腕に2勝目はつかなかった。それでも、堂々たる投球に応えたかった。「あの投球が、今日の勝利につながったと思う。中継ぎでも頑張ってたけど、やっぱり先発する姿は大学から見てるんで…。次もしアイツが先発した時は、もっと早く援護してあげたいですね」。悔しさをこらえながら、長らく中継ぎに回っていた姿も見てきた。野手みんなでつないだ絶好の勝ち越し機で、主将が決めた。

 ペナント20試合を残し、CS出場を争う3位西武には2ゲーム差に迫った。伊東監督は「1つ勝つことの難しさがあらためて分かった。でもホームゲームは8回裏の勝ち越しが理想。いいところで打ってくれた」と3連敗阻止に息を吐いた。13日には西武との直接対決、次週は日本ハム、ソフトバンクと上位との試合が続く。今日12日のオリックス戦で、負け越すわけにはいかない。【鎌田良美】