DeNA中畑清監督(61)が成績不振の責任をとって辞任することが2日、決まった。この日の試合前に横浜市内の球団事務所で南場オーナーに辞意を伝えた。約20分間の会談を終えた中畑監督は「気持ちを伝えました。オーナーからは熱い言葉と、感謝の言葉をいただいた。そんなに思ってもらえるのは幸せ者だなと思いました」と慰留の姿勢に感謝したが熟考して決断した辞任の意思は覆らなかった。

 辞任の背景には責任に対する考えの違いがあった。球団は7月中旬に異例の早さで続投を要請し、一貫した強化を進める態度を明確にした。4年間のチーム作りを評価し、来季も継続させることで強固な集団を形成する狙いがあった。球団発足から4年という創成期は、結果に対し「責任をとる段階ではない」(球団幹部)スタンスだった。一方の中畑監督は「勝負師として結果の責任はとらないといけない」。ここに接点は見いだせなかった。

 来季コーチ陣の編成にも違いが及んだ。両者とも人事の再検討は必要という考え方は一致。球団は続投要請受諾後に着手する方針だったが、同監督は受諾に向けた希望人事があった。9月30日に池田球団社長、高田GM、吉田GM補佐と話し合いが持たれたが、着地点は見つからず「意見が合わず接点がなかった。要求はのめないということだった。どうしても埋められないものがあった。俺が辞めて責任をとるしかない」という結論につながった。

 球団は土壇場での辞任を受け、ゼロベースで後任候補の人選から着手しなければならなくなった。池田社長は「ドタバタは覚悟の上。明日の試合以降、しっかり準備できる土壌はある」と強調。4年間で積み上げてきた中畑体制を継承し、結果という部分で上積みができる人選を進める。