阪神が来季新監督を要請している金本知憲氏(47)に長期的視野の改革を求めたことが6日、分かった。これまでの戦力継承型ではなく、長期計画での改革、底上げを最優先し、その上で優勝を目指す。そのために異例の長期契約となる可能性もある。

 金本氏に期待する改革路線の中、コーチングスタッフとして電鉄本社、球団内外から待望論が出ているのが03年、05年優勝時の主力だった赤星憲広氏(39)だ。セ・リーグ記録5年連続盗塁王の実績を説明するまでもなく、だれもが知る猛虎のトップバッターだ。

 チームは今季も盗塁数アップを目標に掲げながらリーグ最低の48盗塁に終わった。また、盗塁だけではなく、勝ち切るためには、走塁や守備への意識改革が必要との指摘もある。現役時代、それらを高いレベルで体現し、黄金時代のタイガース野球を支えた赤星氏ならば、選手の技術向上、意識改革をしてくれるという期待があるのだ。

 ただ、赤星氏は頸椎(けいつい)、脊髄を痛めて09年に現役引退を余儀なくされた。仮に金本監督が誕生し、入閣候補となっても体の状態を本人がどう判断するかだろう。今日7日にはCS進出の可否が決まるが、すでにコーチ陣を大幅に刷新する方針は決まっている。改革路線の中枢として、かつて虎の野球を変えたレッドスターへの期待は高い。

 ◆赤星憲広(あかほし・のりひろ)1976年(昭51)4月10日、愛知県生まれ。大府-亜大-JR東日本。社会人時代は00年シドニー五輪出場。同年ドラフト4位で阪神入団。1年目の01年に史上初めて盗塁王、新人王を同時受賞。05年まで5年連続盗塁王。09年オフ引退。通算1127試合、1276安打、3本塁打、215打点。打率2割9分5厘。通算381盗塁は歴代9位。現役時代は170センチ、66キロ。右投げ左打ち。