阪神のドラフト2位坂本誠志郎捕手(22=明大)が入寮翌日の7日、早くも“新人キャプテン”に指名された。新人選手6人で動いたトレーニングでは唯一の高校生望月に声をかけるなど、キャプテンシーを発揮した。

 グラウンドすべてを見渡し、掌握する司令塔の資質がうかがえた。緊張の入寮翌日、グラウンドに出た6人の中で先頭を走ったのが坂本だった。

 「『今日は坂本がキャプテンだ』と西口副寮長に言われました。勝手に(ランニングで)前に行っちゃいました」

 副寮長から、いきなり初日のキャプテンに指名される立ち居振る舞い。自然と先頭に立つ意欲。さらに、後輩への気配りも見せた。

 「1人だけ高校生なので、やりにくいというか。『気を使わなくてもいいぞ』と言いました」

 最も年下で唯一の高校生である望月の緊張をほぐすと、キャッチボール相手も買って出た。

 「同期なんで仲間意識もってこれからも刺激し合っていきたい」

 右も左もわからない新しい世界に飛び込んでも、自分のことだけではなく、仲間も気遣える視野と心の広さ。まだ1日だけだが、キャプテンに指名されたのもうなずける雰囲気だった。

 「緊張? そういうのはないです。(合同自主トレは)元気出してアピールすることも大事。けがなく自己管理も大事」

 履正社、明大、大学日本代表で主将を務めてきた。終始落ち着き払ったルーキーに、司令塔の資質が垣間見えた。【鈴木忠平】