チーム一の韋駄天(いだてん)は、意外にも4番候補の新外国人だった。オリックスの宮崎キャンプは23日、西武との練習試合が雨天中止に。室内練習場では1軍野手全員を対象とした20メートル走のタイム測定が行われ、ブライアン・ボグセビック外野手(32=フィリーズ)が2秒89とトップの数字をたたき出した。

 打って、走れる。「米国版糸井」との評判はダテじゃなかった。ボグセビックは2位の糸井に0秒04の差をつけ、唯一の2秒8台をマークした。走る時点でトップだった小田を1本目のタイムで下回り「抜いたら終わり!」との宣言通りに上回った。俊足で知られる小田、西野の2年目コンビより速かった。

 平野元章トレーニング強化担当は「100メートルなら10秒台で走れるかも。俊敏さや跳躍力もあるし、身体能力はすごい。何の競技でもこなせそう」と驚いた。かつて所属した横浜(現DeNA)での計測と比較し「梶谷と同じレベル」と、14年のセ盗塁王と同等の脚力だと太鼓判を押した。

 メジャー通算19本塁打。誕生日の18日にフリー打撃では推定140メートル弾を放ってパワーを誇示した。走塁にも魅力があり、メジャーでは24盗塁、マイナーでは123盗塁を記録した。191センチの長身でストライドは大きい。俊足ぶりを、実際にタイムで証明した。「走塁でも、貢献したい。技術は持っている」と話しているボグセビック。超人糸井を上回る自慢の足にも、期待が膨らんできた。【大池和幸】

 ◆ブライアン・ボグセビック 1984年2月18日、米イリノイ州生まれ。デ・ラ・サル高からテュレーン大。05年ドラフト1巡目でアストロズに投手として入団。08年に野手転向した経緯から「米国版糸井」と評判。10年にアストロズでメジャーデビュー。メジャーでの成績は打率2割3分8厘、19本塁打、67打点。家族は夫人。左投げ左打ち。