俺の記録を抜け! 阪神の新人最多安打記録を保持するDeNA坪井智哉打撃コーチ(42)が、ドラフト1位高山俊外野手(22)に記録更新を期待した。「彼なら文句なしに超えていっちゃうでしょう。僕よりはるかに素晴らしい技術を持っている。僕の記録なんかさっさと抜いて欲しいですね」とエールを送った。

 頼もしい言葉が並んだ。坪井氏はルーキーイヤーの98年に135安打、打率3割2分7厘を記録。猛虎が誇ったヒットメーカー、坪井氏も高山の高い技術に着目している。「インコースのボールをレフト方向にファウルにする技術はすごい。普通の打者はそれが出来ないんですよね。引っ張りこんじゃうんで。僕もそれは出来なかった。彼はそれが出来るんで、すごいバッターですね」。現在はDeNAの打撃コーチ。敵チームの選手評価だけに、多少のリップサービスも含まれているかもしれないが、そのバットコントロールがあるからこそ、安打量産できるのは間違いない。

 ここまで16試合を終え23安打。9試合連続安打中と打撃好調の背番号9。新人ながらシーズン205安打を超えるペースだ。7月下旬には坪井氏の記録にたどりつくことが出来る計算。この日は試合が中止。黄金ルーキーは室内練習場でフリー打撃やゴロ捕球を行い、汗を流した。偉大な先輩の言葉を胸に、ヒットを打ち続ける。【梶本長之】