大金星ヤ! 今季初先発のヤクルト村中恭兵投手(28)が、14年8月7日の阪神戦(神宮)以来、2年ぶりの先発勝利を手にした。同9月30日の広島戦(マツダ)以来となる先発マウンドで、5回5安打2失点で11連勝中だった広島の快進撃を止めた。謹慎処分を受けた守護神オンドルセクが不在の中、ブルペンも新たな勝利の方程式を完成させた。

 忘れかけられた左腕が、ローテーションの谷間で大輪の花を咲かせた。ヤクルト村中が任務を全うした。3点リードの5回。2死走者なしから3連打で1点を奪われ、なお2死一、三塁。ここまで2打数2安打の丸を迎え、フルカウントからこの日最速の149キロ直球で遊ゴロに仕留めた。11連勝中の広島打線に「そこと対戦するわけではない。目の前の打者に集中すれば、勝機はある」と冷静だった。2年ぶりの先発マウンドで、「3回くらいまで持てばいい」という高津投手コーチの不安を、最高の結果で裏切った。

 エース小川が腰痛で出場選手登録を抹消され、ベテラン石川、館山は2軍でリハビリ中。かつては「巨人キラー」とも呼ばれた男に、代役が回った。10、12年には2桁勝利もマーク。だが昨季は1軍登板がない絶不調から、ここまで33試合の中継ぎ登板で自信を取り戻した。「昨日は(原)樹理がケガで抹消された。チーム事情も苦しい中、何とか長いイニングを投げられればと思っていた」と気合十分の94球だった。

 チームは、前夜に自力優勝が消滅した。26日に首脳陣に悪態をついたオンドルセクは、自宅謹慎処分が解けて2軍に合流したばかり。守護神不在の中、6回からは今季途中に支配下登録を勝ち取った平井が2回を無失点。8回はルーキ、9回は代役守護神の秋吉も無失点でつないだ。真中監督が「村中が5回までよく粘ってくれた。次回登板も検討する。平井も良かった。秋吉も不慣れな9回をよく締めてくれた」と手放しで喜ぶのも無理はない。破竹の勢いだった首位広島を止め、現有戦力で勝ち切った。【栗田尚樹】