プロ野球巨人の野球賭博事件で、元選手笠原将生被告(25=賭博開帳図利ほう助罪などで公判中)らを客に賭博を開いたとして、警視庁組織犯罪対策4課は12日、賭博開帳図利の疑いで、いずれも胴元役で大学院生の松永成夫容疑者(40=名古屋市中区)、大石健太郎容疑者(26=同市中区)の男2人を逮捕した。

 組対4課によると、松永容疑者は「寺銭(手数料)を取ろうとしていない」と容疑を否認、大石容疑者は認めている。

 組対4課は4月、笠原被告と胴元役の元飲食店経営斉藤聡被告(38=賭博開帳図利罪で公判中)の2人を逮捕。笠原被告は斉藤被告と、松永容疑者らの両方の賭博ルートで客だった。

 組対4課は、斉藤被告が徴収した賭け金を上部の主催者に渡していたとみて捜査を継続。暴力団の資金源につながった可能性もあるとみて、松永容疑者らのルートとともに全容解明を目指す。

 日本野球機構(NPB)などによると、笠原被告は14年4月に大石容疑者を通じて松永容疑者と知り合い、横浜や東京・六本木の違法カジノで遊ぶなどしていた。

 松永容疑者らの逮捕容疑は、2014年3月~15年8月のプロ野球約15試合、15年の高校野球約15試合を対象に、笠原被告と福田聡志元選手(32)を含む客8人に賭けさせて手数料を徴収し、利益を得た疑い。笠原被告が15年5月、福田元選手を松永容疑者に紹介したという。

 組対4課によると、両容疑者は賭けの前に、対戦チームの実力差を調整する「ハンディ」を客にメールで伝えていた。NPBは松永容疑者を野球賭博常習者と認定。逮捕容疑の8人には含まれていないが、NPBによると、松永容疑者の賭博の客には他に松本竜也元選手(23)もいた。

 巨人の一連の野球賭博は昨年9月、松永容疑者が福田元選手に借金の返済を求めるため、川崎市の球場を訪れたことで発覚した。