そんなはずじゃ…。阪神能見篤史投手(37)が今季初の巨人戦に3回持たず6失点KOされた。パートナーにはドラフト2位ルーキー坂本誠志郎捕手(22)を指名したが、まさかの背信のピッチ。金本監督も苦虫の完敗となった。今季、聖地での伝統の一戦は6戦5敗1分け。今日こそ、G倒を決めて勝利の六甲おろしを歌わせて!

 巨人橋本到に2点二塁打を浴びて6点目が入ると、金本監督がベンチを出た。3回途中、8安打を浴びて0-6。もうこれ以上、能見は投げさせられない…。だがこの時、捕手坂本の交代も深谷球審に告げた。序盤にして、異例のバッテリーごとのKO…。期待の抜てき采配が裏目に出て、完敗への道をたどった。

 「能見が組んでみたいと言うから、聞いただけだけど。彼が投げやすいと思ったんだろうね」。監督が厳しい表情で舞台裏を明かした。梅野でも原口でもない。ドラフト2位新人坂本のプロ初出場、初マスクをリクエストしたのは、何と能見自身だった。キャンプ以外はほとんど組む機会がなかったが、12年目37歳のベテランならではの感性が働いたのか。だが2人の呼吸は最後まで合わなかった。

 2回の先制点献上は、阿部と村田を連続三振に斬った2死から。ギャレットのヒットに続き、小林誠は2球で追い込みながら中前打。矢野作戦兼バッテリーコーチは「2ストライクで投手はホッとするけど、捕手はホッとしてはいけない」とフォークが甘く入った3球勝負を厳しく指摘した。8番に打たれ、北條の失策と二塁打で2失点。3回も内海に四球を与えるなど4失点と歯止めが利かなかった。

 金本監督は坂本の交代について「ビハインドだから(攻撃重視で)原口を使った。3回しか守ってないから何とも言えない」と評価は先送り。一方で能見については「球自体は悪く見えなかったけど」と首をひねるしかなかった。満を持した中10日で大事な後半2戦目を託し、新人捕手起用も認めた。だが条件は全部整えたはずの背信ピッチ…。能見も「高いのを打たれた。坂本に迷惑をかけた」と肩を落とすしかなかった。

 打線も内海に11三振を喫する貧打は相変わらずで原口のソロ1点に終わった。中でも痛かったのは初回無死二塁、2番鳥谷が捕邪飛に倒れるなど無得点に終わった攻撃か。監督は「トリが進められなかったのもあるし」と腕組みし、3三振の5番ゴメスも途中交代を命じるしかなかった。

 これで甲子園の巨人戦は6試合戦って1分け5敗。87年と91年の7戦未勝利ワースト記録にあと1に迫った。金本監督は「(明日)勝ちにいくだけだから。全力を尽くして」と言葉を絞り出した。G倒に浸る六甲おろしを今日こそ-。ファンも待っている。【松井清員】

 ▼阪神は今季、甲子園での巨人戦は5敗1分けで6戦勝ちなし。同球場でのこのカードでシーズン初戦からのワーストは、87、91年の7戦全敗で、今日20日も勝てなければこれに並ぶ。今季6試合のチーム打率は1割9分9厘(196打数39安打)と、打線が沈黙を続けている。