「熱男」がひと振りで決めた。ソフトバンク松田宣浩内野手(33)が4回に決勝の逆転20号3ランを放った。相手失策で1点差に迫りなお1死一、三塁。西武野上の初球、ど真ん中に来たチェンジアップを左中間席へ豪快に運んだ。「速い球を意識していてチェンジアップが来たので間があって拾えた。青一色なので、けっこうクールにベース1周させてもらいました」。この日が本拠地でのユニホーム配布イベント「鷹の祭典」最終日。ナインとハイタッチを終えると、右手を下から振り上げ、超満員3万8500人と「熱男~!」と叫んだ。

 この日の練習中、青色では熱男は燃えていないと思われたのか、解説の仕事できていた秋山前監督から背中に指で炎を描かかれ「メラメラしないと」と激励を受けていた。だが、4戦連続安打を放ち「鷹の祭典」7試合では打率3割5分、5打点と打っている。

 工藤監督も「あれ(3ラン)がすべて」と笑った。2年連続4度目のシーズン20号。若いころは指や手の骨折などで戦列を離れることも多かった。19日オリックス戦では右手の薬指と小指がバットとボールに挟まる死球。「やばい、折れてると思ったんですが大丈夫でした」。まだ、腫れて痛みも残るが、大けがにはなっていない運と強さも身についてきた。

 日本ハムが負け再び4・5差に広がった。前日3・5差に迫られ「尻に火」となりかけたが、この日、工藤監督は半身になって、お尻をちらりと向けながら「大丈夫? 火ついてない? そんなところを意識してもしょうがない」と笑った。松田も「ロッカー室の中でもまだ日本ハムのことを気にしていない。首位らしく戦っていきたい」。猛追にも目もくれず、地に足をつけ首位を走っていく。【石橋隆雄】