おいしく、いただきます! 阪神ドラフト5位青柳晃洋投手(22)が“恩返し”のマウンドに上がる。今日26日からチームは、長期ロード前最後の甲子園6連戦。28日ヤクルト戦に先発予定のルーキーは、母利香さん(52)が現役ヤクルトレディ、兄勇輝さん(25)もヤクルト社員。感謝の気持ちを胸に、大好きな「ヤクルト」をグビッと飲み干す。

 ついにこの時が来た。青柳にとっては特別な相手との初顔合わせだ。早朝、遠征先の広島から移動した右腕は、登板が予想されるヤクルト3戦目(28日)に向けて甲子園でキャッチボールやダッシュメニューで調整。子どもの頃から聞き慣れた「ヤクルト」というフレーズに、やはり反応した。

 青柳 家にはずっと(ヤクルトの商品が)ありました。常備というか、そうですね。結構ありました。

 実家の冷蔵庫には乳製品の主力商品である「ヤクルト400」などが必ず並んでいた。母利香さんは現役のヤクルトレディ。青柳自身も3歳まで同社の企業内保育所に通っていた。母の奮闘を見てきた兄裕矢さんはヤクルトに入社。もちろん、一家そろって燕党だった。

 青柳 右も左もいい打者がそろっている。誰と言うよりもみんな注意です。

 山田、バレンティン、雄平…。元ヤクルトファンだけに、対戦するイメージはパッと浮かぶ。複雑な思いでマウンドを見つめるであろう家族とは違い、青柳のスイッチはタテジマを着たときから切り替わっている。

 青柳 気にすることなくいきたい。これまで通り。これまで以上にいいピッチングをしたい。

 チームは本拠地で7連敗中。甲子園にはフラストレーションが充満している。ヤクルト、中日を迎える夏の長期ロード前最後の本拠地6連戦は今後の浮沈をかけた重要な位置づけになる。

 青柳はここまで6試合に登板して2勝2敗、防御率3・81。だが、その2勝はいずれもビジターで挙げた勝利だ。クオータースローが聖地で強力打線をきりきり舞いにする。本拠地初勝利を挙げてチームを上昇気流に乗せる。【桝井聡】

 ▼阪神は甲子園で7連敗中。6月30日DeNA戦に敗れた後、7月8日からの広島3連戦、18日からの巨人3連戦に全敗。7連敗は02年5月1日から22日以来。その前が98年7月1日から26日。98年5月7日から6月12日までの12連敗が球団ワースト。