日本ハム大谷翔平投手(22)が、今季3度目の猛打賞で勝利に貢献した。2回に先制のホームを踏むと、1点リードの4回無死二塁から、右翼線へ適時二塁打を放った。自己最多のシーズン3度目の猛打賞は通算5度目となり、チームは不敗。先発投手としては小休止中だが、好調なバットで打線をけん引した。

 打撃技術と野球センスが凝縮された、珠玉の一打だった。4回無死二塁。大谷が西武岸の130キロチェンジアップを右前に運んだ。「反応でうまく打てた」と進塁打を意識。“代名詞”の中堅から左、ではなく、バットに角度をつけて引っ張った。仕上げはここからだ。一塁をまわり、加速。「カットに返すような感じでしたし」。右翼・金子侑が本塁へのライン上にいるカットマンへ返球するのを目視し、単打性の打球で二塁を陥れた。

 前回野手出場した22日オリックス戦は、走塁ミスを犯していた。試合序盤にけん制に引っかかってアウトになると(記録は盗塁死)、三塁走者だった中盤には、市川のセーフティースクイズでスタートが遅れ、本塁憤死。二刀流をこなすため、試合前に走塁練習を行うことはほぼない。次戦ですぐに、汚名返上の好走塁。栗山監督も「瞬間的に反応するんだろうね。考えるより感じていた」とたたえた。

 2回には右前打、6回にも中前打を放ち、今季3度目の猛打賞を記録した。右手中指の皮がめくれた影響で、投手としては小休止中。24日オリックス戦では、3年ぶりの中継ぎ登板で1イニングを投げたが、指先の感覚が微妙なズレを生じさせ、投球フォームなど技術的な状態は思わしくない。次回先発予定だった31日ソフトバンク戦(札幌ドーム)登板も、見合わせる可能性が高まっている。それでも、打者・大谷の活躍は補ってあまりある。【本間翼】