阪神金本知憲監督が甲子園での秋季練習で、高山に来季のノルマを課した。

 「中軸を打ってほしいね。甲子園は広いから左打者は(浜風で)難しいけど、20本は打って欲しいし、打率は3割、打点も80ぐらいは挙げて欲しい」。

 加えてもう1つ、珍指令を出した。

 「今年はミスした時の成績が悪かったから。シュンとして。平田チーフがよく言ってた。『俊(しゅん)、シュンとするな!』って。周りは笑ってなかったけど(笑い)」。

 「チームに、投手に申し訳ない気持ちは誰もが持ってる。でも落ち込んでも取り返せない。エラーした時ほど打って欲しい。エラーしたらやたら打つとかメンタル的に強くね」。

 体と一緒にハートもずぶとく強化すれば、来季は4番もあると期待した。「俺も4番を打ったけど、プロに入った時は1軍で出れるとも思われてなかった。左で足は速かったから、せいぜい1、2番のレベル。でも体を作って4番を打つようになった。だから高山も今は1番、3番とか言ってるけど分からんよ。スイングを工夫して、ぼこぼこホームランを打てるようになったらね」。

 新任の平野1軍打撃コーチの役割について、冗談交じりで「(高山は)すぐ抜くから抜かせるな。チラリズムで(首脳陣の動きを)チェックしてるから、見張っておけと言っといた」。

 その他の一問一答は以下の通り。

 -高山への期待は高い

 金本監督 守りもあるし、若いんだからあれもこれもやることが多い。打つだけでなく走る、盗塁、走塁の意識も持って欲しい。30盗塁は難しいかも知れないけど、足は速いし意欲はある。もっと欲を持って欲しいね。横着させませんよ。

 -高山が20発打つには

 金本監督 スイングする力をつけないといけないし、少し詰まっても押し込むとか泳いでもヘッドを使って運ぶとか。体を強くすることはもちろん、一番はブレないこと。打球に角度をつけて飛ばすために、自分自身がブレてはいけない。

 -肉体面での改善点は

 金本監督 バランスはいいから強さだね。ぽっちゃりしてるのかな。脂肪が多めだからそれを同じ重さの筋肉に変えると、もっとスピードが出るようになる。

 -監督も入団から変身

 金本監督 体力がついてきてスイングスピードがついて、気がついたらホームランを打てるようになっていた。でも高山とは入団した時のレベルが違うよ。俺、1年目はヒット0やからね。2年目で17本打ったんかな。1浪してるからその時25歳。なのに高山はボンボンホームラン打ってる。