巨人鈴木尚広外野手(38)が今季限りで現役を引退することが13日、分かった。プロ20年目の今季は44試合に出場。代走として12年連続2ケタ盗塁となる10盗塁を決めたが、10日のDeNAとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第3戦(東京ドーム)では、同点の9回無死一塁で代走起用されたが、けん制死によりサヨナラ機を逸していた。関係者の話を総合すると、今シーズンで現役を退く決意を固め、今日中にも正式発表される。

 鈴木は96年ドラフト4位で巨人に入団。走力を生かすために左打ちにも取り組み、外野手に転向。代走や守備固めとして活躍し、08年には105試合に出場し、自己最多の30盗塁を記録。ゴールデングラブ賞を獲得するなど日本一に貢献した。その後は主に代走での出場が多くなったが、「神」と称されるほどの高い走塁技術を発揮し、走塁のスペシャリストとして勝利に貢献してきた。

 スピードスケートなど異種目のトレーニングを導入するなど、パフォーマンス向上のために努力を惜しまず、毎日時間をかけて入念に準備するなど野球に対する真摯(しんし)な姿勢は、チーム内外から一目置かれる存在。明るいキャラクターはファンからも愛されてきた。「神の足」を持つ鈴木が、惜しまれつつユニホームを脱ぐ。