中日森繁和監督(61)が眠っていたドラフト1位の抜てきを即決した。前日15日にみやざきフェニックス・リーグを視察。16日早朝に名古屋にとんぼ返りした指揮官は意外な手みやげを携えていた。

 「あれだけの投球を見せてくれたらな。希望が出てきた。沖縄行きを決めたよ」。視察したヤクルト戦で5回1失点と好投した13年ドラフト1位の鈴木のこと。抜群の素材とされながら3年間未勝利。今年はフォームを崩して低迷したが、夏場から調子を上げてきた右腕だ。26日から始まる沖縄投手キャンプへの帯同を決めたことを明かした。

 さらには「野村も当然入ってくる」と14年ドラフト1位右腕のメンバー入りも決めた。即戦力の期待を受けながら故障がちで2軍でも今季防御率6・16。しかし宮崎では2試合11回を投げ無失点と猛アピール中だ。沖縄に連れて行くのは「来年、働いてもらわないといけない12人」が条件で、そこに伸び悩むドラフト1位の両腕が加わる。

 代わりに大野、田島らはキャンプ免除が決まり、宮崎組から残り数人を選抜する。育成ながら2軍エース格の三ツ間も沖縄組に入れた。今季は計算外だった眠れる素材が続々。森再生工場が動き始めた。【柏原誠】