広島黒田博樹投手(41)が5日、マツダスタジアムで行われた優勝報告会で3万人超のファンを集めて最後のユニホーム姿を披露した。イベント終盤、チームメートに背番号と同じ15回胴上げをしてもらい、マウンドにひざまずくと感極まって号泣。この日、広島市内で行われた41年ぶりの優勝パレードにも感激し、笑顔を貫いてきた黒田が涙、涙でファンに別れを告げた。

 黒田の盟友新井が粋な演出を見せた。優勝報告会で黒田がサインボールをスタンドに投げ込んでいるときだった。ベンチの前で整列していた新井が「胴上げやるぞ」「15回だ、15回!」とナインに提案した。黒田は事前に選手会長の小窪に「1度してもらったし、胴上げはもういい」と伝えていた。だが「このまま終われない」(新井)という熱意で胴上げを実行。しかも言った通り、15回も宙に放った。「胴上げ15回なんてしないよね、普通。でも誰もやれないことをした人なんだから、誰もやったことのないようにしたかった。(鈴木)誠也とか力の強いヤツを配置して、落とさないようにやりましたよ」と満足そうだった。