バントを自分のものにする。楽天島内宏明外野手(26)が、秋季キャンプ最大のテーマにバントを挙げた。「シーズンではバントをあまり決められなかった。バントの意識を高く持って、自分の形を作り上げたい」。右の脇をしっかりと締め、バットのヘッドを立て確実にゴロを転がす。シート打撃では1球に集中し、マシン相手でも形と精度にこだわっている。

 8日、第2クールが終了し「いい感じになってきました」と手応えをつかむ。「だいぶ良くなっている」という真喜志内野守備走塁コーチは「ヘッドが下がるときがたまにある。状況に応じて形を変えるくらいになればいい」と、及第点をあげつつもさらなる技術向上を求めた。

 小技を身に付ければ、持ち味の打力アップも期待できる。今季は犠打を10度企画し、成功は7。失敗後のヒッティングで凡打するケースが少なくなかった。自己最多の98安打、打率2割8分7厘を記録しただけに「確実に成功できれば打率を落とさずに済むから、2割9分以上は打てると思う」と飛躍を誓う。梨田監督も「3割を打てるバッターはバントもうまい」と重要性を説く。島内が課題を克服すれば、来季の定位置奪取、3割も決して夢物語ではない。【田口元義】