阪神の高知・安芸秋季キャンプで9日、金本知憲監督(48)が悩める男に「4の1理論」を伝授した。打撃練習中の江越大賀外野手(23)に近づき、若かりし頃の配球に関する持論を展開した。台頭が期待される長距離砲に打席での悩みや焦りを感じ、解消に動いた。

 安芸の空の下で、金本監督が「心」の授業を行った。打撃練習中の江越に近づき、言葉を投げかけた。「打席で迷っているうちに、ボールが来てるんちゃう?」。若き大砲候補は思わずうなずいた。「そうです。気づいたら、ボールが来ています」。技術指導ではない。打席での心理状態を確認しピタリと符合。そこから若かりし頃の持論を展開した。

 「俺は若い時、4打数1安打を目標にしていた。4打席あれば、ストライクは何球来る? 12球。1回ぐらいは当たるやろ。確実にヒットにすれば、4打数1安打。1個、四球を取れば、3打数1安打で3割3分3厘。それで2割8分ぐらいをね」

 江越には特に、迷いや焦りを感じるという。すべての球を追いかけても、プロの1軍レベルでは簡単に打てない。頭を整理し、打席に立つ。読みの重要性を説いた。

 「迷わず、割り切り。これができると変わってくると思う。迷っているから、中途半端なスイングになる。2ストライクまで狙いを定めて、タイミングがあわなければ、見逃せばいいこと。ストライク1個、どうぞと」

 今季は7本塁打を記録したが、調子を持続できない。結果を出せないことが焦りを生み、三振の数が増える。パンチ力のある打撃を生かすためには、心の準備が必要ということだ。

 前日8日には、掛布2軍監督と会談した坂井オーナーが名指しで成長をお願いしたほど。和製大砲として期待は大きい。江越も指揮官の教えを言葉に刻んだ。「そうだと思いました。迷ったら打てないので、試合で余裕が持てるぐらい、しっかりと整理したい」。心技体すべてのレベルアップを図り、来季の外野手争いに挑む。【田口真一郎】