若虎たちが来季のゴールデングラブ賞受賞を目指し、高知・安芸キャンプで守備力向上に励んだ。前日8日に受賞者が発表された「守備のベストナイン」で阪神は、4年ぶりに選出なしに終わった。9日、金本監督は「そういう年があっても、不思議じゃない」と冷静に話した。チームは世代交代の途中でやむを得ないという認識ながら、にやりとして言葉をつないだ。「これからそういう選手が出てくるように。平田コーチが鍛えてくれるでしょう。来年は3人ぐらい出てくるんじゃないかな。言っておいてよ」。

 伝え聞いた平田コーチは「久慈コーチが…」と冗談めかして責任転嫁しようとしたが、あわてて言い直した。「なすりつけ合わないで助け合わないと」。もちろん今キャンプは守備力アップにも取り組んでいる。

 この日は北條や高山らが特守に励んだ。チームワーストタイの12失策を記録した北條は「特に守備は継続してやっていきたい」と自覚している。ポジション別のゴールデングラブ賞でいえば、光星学院(八戸学院光星)の先輩である巨人坂本がライバル。「必死にやって取れたら最高ですし、取れなかったらまだまだ。とにかく必死に試合に出ないといけない」。レギュラー定着がその1歩となる。

 新人捕手坂本は盗塁練習で、7度全て走者を刺した。前回の練習でも盗塁を許さず、猛アピール。「一番になれることはいいこと。評価してもらえるようにやりたい」。授賞式で黄金のグラブを持つ姿を思い描き、守備向上を目指す。【山川智之】