ギータの40盗塁再挑戦プランだ。今季23盗塁に終わったソフトバンク柳田悠岐外野手(28)を新任の村松1軍外野守備走塁コーチ(43)、森作戦コーチ兼バッテリーコーチ補佐(51)が技術面、作戦面から柳田の盗塁力を磨いていく。

 柳田の潜在能力を2人のコーチが引き出す。今季「40-40(40本塁打、40盗塁)」を目標にしたが、23盗塁に終わった。トリプルスリーを達成した昨年の32盗塁からも大幅減。柳田は「今年は成功率を意識して走った」。今季の盗塁失敗は2個。成功率は9割2分と昨年の8割からアップしているが、数が増えればチームの得点力もアップする。

 今キャンプから1軍担当となった村松コーチからは、リードを大きく取ることやリード時の形、内転筋に力を意識することなど細かい部分を教えられている。96年に58盗塁で盗塁王に輝いた村松コーチは「ギータは本能のまま走っている部分がある。技術、コンディション面とかいろいろ教えていきたい」と話す。

 年々、相手投手のクイック、けん制の技術も上がっている。そこで登場するのが今季までチーフスコアラーだった森作戦コーチだ。「スコアラー室にもよく来て、配球やボールの軌道はチェックしている。今度は盗塁にも興味を持ってほしい。どんな投手でも、どこかしらクセはある」と話す。小さなクセを徹底分析し、さらに相手捕手のリードの傾向などをアドバイスしていく。

 今季は厳しい内角攻めにも我慢し100四球を選んだ。森コーチは「勝負してもらえず悔しい気持ちが見えた」とメンタル面も指摘。二盗への意識を高めることで精神的にもいい影響がでると考えている。柳田も「こっちもレベルを上げないと数も増えない」と意欲満々で取り組んでいる。【石橋隆雄】

 ◆村松有人(むらまつ・ありひと)1972年(昭47)12月12日、石川県生まれ。星稜で甲子園出場。90年ドラフト6位でダイエーに入団。99、00、03年の日本一に貢献。03年オフFAでオリックスへ。08年にトレードでホークスに戻り、10年に引退。11年からスカウト、14年から3軍外野守備走塁コーチ。177センチ、79キロ。左投げ左打ち。

 ◆森浩之(もり・ひろゆき)1965年(昭40)2月4日、大阪府生まれ。PL学園から東洋大を経て、86年ドラフト2位で南海入り。91年に引退。その後、チームスタッフ、ブルペン担当コーチなどを務める。13年からスコアラー、この秋から1軍作戦コーチ兼バッテリーコーチ補佐として捕手陣も担当。177センチ、80キロ。右投げ右打ち。