雨のち晴れの侍マウンドだった。藤浪は「第2先発」として5回から登板。いきなり国際試合のパワーを見せつけられた。坂本の失策で走者を背負い、無死一塁。4番サムスに2ボールから投じた153キロの直球を、左中間スタンドに運ばれた。「1発で仕留めるか、と。少しびっくりしました」。弾丸ライナーでの着弾。藤浪は思わずマウンドで苦笑いを浮かべた。

 1イニング目は「指示もあったので」と、速球系のボールで勝負。変化球でかわすより、威圧感をまとって攻め続けた。5番打者にも中前打を浴びたが、6番を一ゴロ併殺。2死からは7番打者を投ゴロに仕留めた。味方が逆転した後の6回からは変化球も組み込んだ。「外国人に対しての攻め方。配球に関して考えることがあった」。6回はわずか10球。被弾したサムスを2度目の対戦では空振り三振に仕留めるなど7回はフォークも使って封じた。

 最後は藤浪らしいマウンドさばきで3回3安打2失点(自責1)の投球。チームも延長10回のタイブレークで勝った。「適当に荒れるのがいい」と評した権藤投手コーチは「よかったよ。変化球を交えて止められた」と評価。最速155キロの威力と、コンビネーション。虎のエースは38球で爪痕を残した。【池本泰尚】