侍ジャパンの先発陣が不安を露呈した。オランダ戦で初招集の両左腕が、ほろ苦デビューを強いられた。先発石田が3回4点で降板。「第2先発」と呼ばれる先発候補の2番手、田口も1被弾を含む2回4失点と炎上した。石田は「独特の緊張感があって失点してしまった」。田口も「力不足。ボールは言い訳にならない。投げたいところに投げられなかった」と反省の弁だけを並べた。

 この日、登板した両左腕だけが精彩を欠いたわけではない。メキシコ、オランダとの強化試合4戦で8人の先発候補をテスト。武田、野村、石川、千賀が4イニング、増井、藤浪、石田が3イニング、田口は2イニングを投げ、いずれも失点を重ねた。全体で27回31安打23失点と崩れた。

 来年3月のWBC本番に向け、投手陣の整備が重要課題となった。権藤投手コーチは「力を持っているわりには打たれ過ぎ。好きなようにスイングされている」と指摘。本番では今大会も球数制限が設けられる可能性が高い。投手陣を先発8人、中継ぎ5人で構成する予定だったが、今回の結果を受け、より小刻みな継投を可能にするために先発7人、中継ぎ6人に変更する可能性も浮上。小久保監督は「より一層、投手の人選が大事。メジャー(の選手)が入ってきてから決めていくことになるが、大谷、菅野が軸になってくる」と話した。【為田聡史】