あるぞ、大抜てき! 巨人高橋由伸監督(41)は宮崎秋季キャンプの16日、来春1軍キャンプに1軍未経験の若手を招集する可能性を示した。1軍実績の少ない今キャンプ参加メンバーに成長を感じさせる選手もおり「楽しみかなと思う選手は1軍の中でどう見栄えするか見たい」と実績は問わずにセレクトする方針。今日17日には今季最後の実戦となる韓国・ハンファとの練習試合が予定され、登竜門に向け、ヤングGが暴れまくる。

 無名でも、高橋監督のお眼鏡にかなう若手がいる。鍛錬の日々も終盤を迎え、光る原石の選定作業は進んでいた。1軍未経験でも来春キャンプに抜てきされる可能性はあるかと聞かれ、指揮官は明言した。「楽しみかなと思う選手に関しては、1軍の中で、どう見栄えするか見たい。うちで言えば坂本とかの中に入れて、これぐらいの差があるとか使ってみないと分からない」。最高峰の選手を物差しとすることで、現在地と将来の伸びしろを測るつもりだ。

 今キャンプには28人が参加し、うち11人が1軍実績がない。その中で1日約10時間の猛練習を通じて、必死のアピールをしている若手たちがいる。捕手は宇佐見と松崎。今季の正捕手は小林誠が務めたが安泰ではない。その座を狙う宇佐見は総合力で力を示している。「キャンプも終わりが近いけど、気持ちは高まっている。充実しているし、最後まで踏ん張りたい」。松崎は12日のハンファ戦で右中間へ1発を放り込み、パワーを証明した。

 育成組も抜てき候補となる。投手の篠原は連日のブルペン入りで成長を見せている。遊撃手を中心に内野を務める増田は守備能力は1軍クラスでハンファ戦でも3安打の活躍で打撃でも結果を出した。だが1軍への最短距離は自覚している。今日17日のハンファ戦に向け「試合で一番起きてほしいのはバントのケース。一発でできると思わせたい。決めればオッと思ってもらえる。今はそのシチュエーションを思い描いている」とニーズに応えるつもりだ。

 高橋監督は就任1年目の今季はベテランも重用し、若手にも機会を与えた。2年目のセレクトは1年目の全軍掌握に加えて、自身の色が出る可能性がある。「こっちがオッと思えば1軍に入れてみようと思う。去年から引き続いて大チャンスじゃないか?」。今、チャンスはグラウンドに無数に転がっている。【広重竜太郎】