まず体力! 中日落合博満GM(62)が20日、ナゴヤ球場で秋季キャンプの打ち上げを視察した。今秋の練習視察は初めて。最下位から巻き返しを図る自軍の状態を確認した。

 約40分、にこやかに新任コーチらと会話。無言のまま球場をあとにしたが、土井コーチが代弁した。「(GMは)1年間戦うだけの体力があるのか心配していた。ファンに勝っている姿を見せたいのでしょう。強いチームを望んでいる」。常勝時代を築いたかつての名将が逆襲へのポイントとしたのは、シンプルな「戦う体力」だった。

 そこは着実にクリアされているはずだ。歴史に残る「長い秋」だった。公式戦後、10月2日に再集合し、秋季練習。同26日から沖縄と名古屋に分かれてキャンプ。6勤1休で総練習日は43日におよんだ。9月28日に公式戦を終えたこともあるが昨年より5日多く、12球団ダントツだった。毎日体力強化メニューが入り、心身とも追い込んだ。

 地獄は続く。この日、2月1日から実戦に近い練習を行うことが伝えられた。森脇コーチは「試合ができる体で来てほしい。今の体力のラインよりも上げて入ってくれと伝えました。維持では後退だから」と説明した。1年間戦う体力とは、オフもキャンプも含めて、練習をやり抜く力ということになる。

 この日、約3週間の外国人調査から帰国した森監督はキャンプ中ほぼ不在だった。異例ずくめの1年はようやく終わったが、ナインが息をつく間はない。【柏原誠】