ロッテのドラフト6位、八戸工大一・種市篤暉投手(18)は25日、八戸市内のホテルで球団と入団交渉を行い、契約金3000万円、年俸480万円で正式契約を結んだ。会見では3位指名された東海大市原望洋・島孝明投手(18)をライバル視した。漫画「課長島耕作」からもじった島のあだ名「課長」に対抗し、NHK連続ドラマ「あまちゃん」の「種市先輩」で猛アピールを展開。同じ高卒右腕に闘志を燃やした。(金額は推定)

 じぇじぇじぇ! な「宣戦布告」だった。種市が同じ高卒右腕で最速153キロを誇るU-18日本代表の島にライバル心を燃やした。「島が課長なら、自分は種市先輩で。顔も負けてないと思う」。13年に放送されたNHK連続ドラマ「あまちゃん」で、イケメン福士蒼汰が演じた「種市先輩」を引用し、強気に猛アピール。「今の段階では島に負けているけど、冬場に追い込んで、超す勢いで頑張りたい。島には負けたくない」と意気込んだ。

 島とはまだ対面していないが、大学日本代表と対戦した試合をテレビで見ていた。「スライダーが切れていた。でも自分のフォークも負けてない」。最速134キロを誇る落差の大きい高速フォークは、同席した永野吉成チーフスカウト(48)からも「プロで生き抜けるボール」と絶賛された。種市は「フォークで140キロを目指す。直球に近いスピードだと打たれない」と宣言。「じぇじぇじぇ!級」の決め球に進化させる。

 「先輩」への弟子入りも志願した。「石川さんにはシンカーのコツを、涌井さんにはプロで長くやれる秘訣(ひけつ)を聞きたい」。自分の中に潜む「あまちゃん」を捨て去り、冬場に走り込んで体づくりに取り組む。「1年目は体づくりだと思うが、3年目からはしっかり投げたい。1軍のローテに入って10勝が目標」と目を光らせた。「青森に希望を与えたい」。高卒新人コンビの「課長と先輩」が、未来のロッテを支える。【高橋洋平】

 ◆あまちゃん 13年4月から放送されたNHK連続テレビ小説。能年玲奈(現のん)演じるアキが、母の故郷岩手で一人前の海女を目指して奮闘。その後、町おこしのご当地アイドルから、本格的なアイドルとして活躍する姿を描く。方言で驚きを意味する「じぇじぇじぇ!!」が流行語に。福士蒼汰演じる高校の先輩、種市との恋の行方もドラマの重要な要素になった。