まさに「正義の味方」だ。ソフトバンク和田毅投手(35)が26日、ドラフト1位の創価大・田中正義投手(22)を完全バックアップする考えを明かした。

 「最初のキャンプではファンもマスコミもたくさんいる。彼の雰囲気や受け答えを見ていたら心配ないとは思う。ただ、練習も大学の時とは違うので、いろんな疲労で絶対疲れる。最初は言いづらいかもしれないが、違和感などがあったらすぐ言った方がいい」

 今秋ドラフトで5球団競合の末、入団する右腕には即戦力の期待も大きい。早大で476奪三振の東京6大学奪三振記録を樹立し、即戦力とうたわれた自身と境遇が重なるところは多い。1年目の春季キャンプの経験をもとに、無理は禁物、とメッセージを送った。

 和田は1年目のキャンプ中盤で左肩に違和感を感じると、すぐにトレーナーを通じ首脳陣に伝えた。「力みなどがあったんだと思う。我慢せず、出遅れたが開幕には間に合いました」。早めに対処したことが奏功し、03年は14勝5敗で新人王。チームの日本一に貢献した。

 田中は今年右肩違和感に苦しんだだけに、貴重な助言となるに違いない。

 和田は自主トレを福岡・筑後市のファーム施設で実施予定。1月には同じ場所で田中も新人合同自主トレを行う。和田は「質問されたら答えたい。最初は今までやってきたことを変えない方がいい。すばらしい成績を残している」と、いつでも相談に乗る構え。この日は福岡・筑紫野市でトークショーを行い、ファンと触れ合った和田。田中が目標とする「愛される、息の長い投手」を体現するサウスポーが、田中をサポートする。【石橋隆雄】