ソフトバンク柳田悠岐外野手(28)が27日、熊本地震の被災者を勇気づけるクスノキ弾を約束した。球団が九州9カ所で野球教室「ベースボールキッズ」を開催し、柳田は熊本県を担当。熊本市内の小学校の体育館で、熊本県内の小学生272人と触れ合った。

 今年4月の震災後、初めて熊本を訪れた。熊本城の崩れた石垣や、街のあらゆるところにまだ残る爪痕を目の当たりにした。「地震がすごかったことが伝わってきた。その中で子どもたちが明るく元気な姿を見せてくれた。野球を頑張って夢を与えようと思った」。

 来季は熊本での復興試合として、5月13日に楽天戦が予定されている。「左中間の木に当てる本塁打を打ちたい」。藤崎台県営野球場のバックスクリーン左には、樹齢1000年とも言われる7本のクスノキ群が茂っている。中堅から左中間まで広がる国の天然記念物で勝手に切ることはできず、一部はフェンスを越えフィールド上まで伸びている。

 年に数試合のプロ野球では近年、直撃弾は出ていない。今年のドラフト3位、秀岳館・九鬼隆平捕手(3年)は昨秋の県大会決勝で右打席から茂みの中へ突き刺している。柳田は左打者だが、左中間最深部への本塁打は多い。「プロのすごいところを見せたい」。強烈なクスノキ直撃弾で熊本のファンや子どもたちを笑顔にさせる。【石橋隆雄】