プエルトリコでのウインターリーグ(WL)に参加しているソフトバンク松坂大輔投手(36)が3日(日本時間4日)、同リーグで初先発した。カロリナの一員として、本拠地でカグアス戦に登板し、4回を1安打2失点。2三振も6四球と制球は乱れ、負け投手となった。3年契約の最終年となる来季へ向け、志願して臨んだ海外WLで再起の1歩を踏み出した。

 日本から遠く離れたプエルトリコで、松坂が完全復活へのスタートを切った。えんじ色に黄色い文字のカロリナのユニホームで最速89マイル(約143キロ)をマーク。6四球を与え、予定の50球は2回までで消費してしまった。それでも12月に実戦マウンドに立つことに意味があった。

 「いつもの感じで、立ち上がりをどう入ろうかと考えながら試合に臨んだ」

 1回2死から四球を与えると、4番左打者のモネルに内寄りの87マイル(約140キロ)を右翼へ2ランを運ばれた。2回は3四球で1死満塁のピンチをつくったが、後続を三振、中飛で無失点。「3、4回は疲れが出て、逆に体の力が抜けてよくなった」と、3回は1四球も11球、4回は10球で3者凡退に抑えた。「今日は全体の7~8割がツーシームで、いい球もあった」と、現地の投手コーチからアドバイスをもらい、ツーシームを多投した。

 スタンドで見守ったソフトバンク松本裕一・国際担当ディレクターは「指にかかっていない球もあったが、ボールやマウンドが違う。初めてにしてはよかった」と、話した。1イニング5失点と大乱調だった10月2日楽天戦以来の実戦。フォームには躍動感が戻りつつあり、内野ゴロの一塁カバーなど投球以外でもまずまずの動きを見せた。

 今季は右肩や腰などの状態が上がらず、ようやく投げられる状態になったところでシーズンが終了。実戦の機会を求め、WLに参加した。滞在は約1カ月の予定。できる限り状態を上げて、勝負の来季に向かう。