リベンジからシーズン幕開けだ。今季10勝を挙げた阪神岩貞祐太投手(25)が10日、「甲子園歴史館トークショー」に出演し、約200人のファンに打倒広島を誓った。トークショーで今季6試合で0勝4敗、防御率4・59だった広島戦に話が及ぶと、「勝てなかったですね」と苦笑い。プロ3年間でセ・リーグではカープ戦だけが未勝利だ。

 金本監督の言葉が突き刺さった。オフに入ってから指揮官は「あの2チームの借金が、うちの借金みたいなものだから」と発言。広島、巨人戦で作った借金17がシーズンの行方に大きく影響したことは間違いない。岩貞も巨人戦は3つの貯金を積み重ねたが、逆に広島戦では4つの借金を作ってしまった。

 もちろん対策は講じる。岩貞は「塁に出て確実に進める。バントだったり、盗塁だったり動いてくる。バッターに全力で向かいにくくしてくる」と、他球団とは段違いの機動力を脅威に挙げる。秋季キャンプでは「球威、球質を意識」してクイック投球の改善に取り組んだ。最速1秒ジャストのクイックプラス、球威のあるボールを投げ込み、セ界一打線を封じる狙いだ。

 やり返す機会はすぐに巡ってくる。来年3月31日から始まる開幕カードは広島との3連戦(マツダスタジアム)だ。今季、先発ローテを守った岩貞が敵地のマウンドに立つ可能性は十分にある。「開幕カードも含めて、広島には自分自身も勝ち越したい」。来季は広島をお得意さんにするぐらいの意気込みで、先発陣を引っ張る。【桝井聡】